熊の市

メドベド・グラッドはザグレブの北山の中腹にある昔の市の名前で、いまでは城の遺跡だけが残される。夜にはライトアップされザグレブの夜景を彩る。我々はプレドラグの案内で山の頂上とそのメドベド・グラッドに行くことにした。夕方の5:00過ぎ、プレドラグがvolvoで迎えに来てくれた。彼の車はマニュアル車クロアチアではマニュアル車のほうが多いと聞く。カテドラルを左に見ながら市外を抜け、夜はよっぱらいが徘徊するという公園の横を通り山道へと入る。途中途中に車が駐車している。散歩に来ている人らしい。また、ときどきこの山を自転車で登る人を追い越す。いまから登ったらいったい何時になるんだろう、などと話しながら山頂を目指す。

山頂の直前で車を止め今度は歩きで山を登る。5分も歩かないうちに山頂へと到着した。標高1033m。冬には雪が深くスキーのワールドカップが開かれるという。スキーももちろん出来るのだが、週末は人でごった返しなのでプレドラグはスキーをするならドイツやイタリアに行くそうだ。スキーのリフト乗り場から山の北側を見ることが出来る。山の北側はやはりクロアチアで別の市のようだ。さらに遠くに山の頂が見える。その向こうはスロベニアだ。

雲の合間からもれる太陽の光と眼下の町並み。そして遠くに立ち並ぶスロベニアの山々。鳥の声があちらこちらから聞こえてくるがそれ以外は一切の雑音がない静かな山。半そでではちょっと寒い山の頂をあるき、そして、もっとも景観のよい場所にあるオープンカフェで一服することにした。ここからはザグレブの町並みは見えない。

山を下りこんどは南側のザグレブ市が見える山の中腹で一休みをする。サワ側がながれザグレブ中心街が一望できる。西側は山がさえぎっているため我々が通うオフィスは見えないが、ザグレブの中心街からひろがらう東側の町並みを見ることが出来る。中心街は近代的なコンクリートの色と旧建物が入り混じるが、東側の町並みはみなレッドクレーの屋根を持つ古い建物だ。

車は山をいちど下り切って、再び山を登り始める。道が一方通行であるために山の頂上からメドベド・グラッドには簡単に行けない。メドベドの意味は熊。グラッドは市。熊の市という意味で確かにクロアチアの5クーナは熊の絵があしらわれている。昔のザグレブはここに市があったそうだ。いまやその面影はなく四角い形の城跡が残るのみである。城跡に入る。ザグレブ市を一望できる。今度は xylon のオフィスのある KONCAR も見える。水曜日に行った湖もここから見える。城砦としては確かにいい場所だ。

城の周りをぶらぶらして時間を過ごす。時間は19:30。山頂ほど寒くなく半そででも大丈夫だ。日差しはまだ高い。日本で言うとまだ16;00くらいの感じだ。城跡の一部に小さな教会の後がある。中は直径5mほどで人が10人もはいれば満員だろう。メドベド・グラッドに当時何人住んでいたのだろうか?そうそう多くの人が住んでいたとは考えにくい。ザグレブの昔の生活に思いを馳せながら我々は帰路へと着いた。