ザグレブでの初日

ザグレブでの北極星の高度は高い。天頂付近に北斗七星が見える。そしてザグレブの朝の太陽の光は低く窓から差し込む。前の日の就寝が遅かったにもかかわらず、朝5:30に目が覚めてしまった。完全に体の時計が狂っている。日本から持ち込んだ温湿度時計は23度、47%をさしている。気候は大変よい。気候は大変よい。そうこうしているうちに8:30にダバーが迎えに来てくれた。さぁxylon社へ出勤だ。

ザグレブの中心街から車で5分ほど離れ、入り組んだ道をたどり xylon 社のオフィスのある門までたどり着いた。中にはいくつもビルがありそのなかのビルの4Fにxylon社はある。ビルは 1920 年頃のものだそうだ。窓から見える景色は遠くに山々があり、そして眼下には工場のようなものがある。これも 1905年の工場だそうだ。遠くの山の中腹にはクロアチア語でベアシティ(熊の市)の意味の古い都市の名残が見える。夜はライトアップされるそうだ。ここらには昔多くの熊が生息していて、その熊をあしらった硬貨がある。

まずは我々はインターネットに接続することから仕事を始めた。それが仕事といえるかどうかはわからないが、一日半以上も音信不通になっていると家族も大和も心配するだろう。メールのチェックが終わったころに大和が skype を通じて話しかけてきた。こちらのインターネット環境は ADSL で日本ほど速くない。しかし、音声の遅延もなく十分な品質で話すことができる。

午前中は我々の作ったプレゼンテーションを見てもらい、そして今後2週間の予定を立てることにした。まずは紹介があり、技術導入があって、最終的にはより深く製品群を理解していくことになる。すでに日本で製品の情報はかなり突っ込んだ話を聞いた。今後は各担当者と実際に話しながらプログラムも交え実践訓練となるであろう。

午前中、各人のテーブルを回り名前と担当を聞いた。全員で25人いるのでとても覚えられない。事前にプリントアウトしておいた写真に名前とファンクション(担当)を書いてもらい今後徐々に覚えることで由とした。オイゲンは中でも異彩を放っていた。わかりやすい表現をすればお宅ということになるのかもしれないがそれ以上の何かを感じた。以前、メールでやりとりしてサポートしてもらったからかもしれない。ダバーはCEOの彼とさらに2人のダバーがいる。logiCVC 担当のダバーは非常に世話月なのか英語でよくしゃべりかけてくれた。

技術的にも面白いことがもりだくさんであった。モータコントロールをする logiSTEP も面白いし、EIZE の 4HD のシステムも非常に魅力的だ。logiLENS という魚眼レンズの補正システムも見せてもらった。いくつかは大手からの依頼のトップシークレットのプロジェクトなのでここでは詳しくかけないものもあるが、4つのカメラを使ったシステムやトップビューやセンサーシステムなどは非常に興味深いものがあった。おそらく、この2〜3年の間には実際に車で使われることになるだろう。

午後はゴールダンからの実際のトレーニングを受けた。今まで我々が受けたり読んだりしている FPGA の世界とは違いよりハードウェア的なトレーニングだ。まさに HDL ハードウェアの設計のための一ランクも二ランクも上のトレーニングだ。「君のソースはCオリエンテッドなソースだ。ハードウェアの場合は先に回路をイメージしなければならない。そしてそこがポイントだ」といった指摘を受けつつ午後の時間はあっという間に終了した。

トレーニングが終わったのは6:30.金曜の6:30。ほとんどの社員は家路についていた。そこから、ダバーに買い物に付き合ってもらい、日常必需品を買うことにした。書き忘れていたが、我々が泊まっているところはホテルではない。普通のアパートメントに一室でキッチンがついている。当然フロントなどはない。食事は自分たちで作らなければならないのだ。だから、日常必需品イコール食料ということになる。野菜や肉そして米を買い部屋に戻ったのは9:30.そこから、買ってきた食糧を食べる。やはりというか、予想通りというか、買ってきた出来合いの豆いりライスは今まで食べたことのないほどまずいものだった。買ってきた魚は塩がかかりすぎていてとても食べられるものではない。昼食べたものも今ひとつだったのでこれは食料で相当苦労しそうな気配になってきた。

余談:ダバーの気質について

ショッピングセンターでダバーは本当によくわれわれに気を使ってくれた。CEO という役職の人間であることを微塵も感じさせない世話役ぶりだ。食品用のカートは押してくれるし、袋詰めにしてくれるし、当然のように通訳してくれる。ん?ところで今後買い物でちゃんと会話ができるのだろうか?xylon の人は全員英語ができるがショッピングセンターの売り子の人はどうも出来ないようだ。ちょっと心配の種が増えた。

まぁとにもかくにも、小さな会社の社長なんてのものは豆でなんでも出来る人じゃないとつとまらないのだ。そして、それが成功する秘訣でもある。ただの技術者ではやっていけない。

余談:お金の使い方について

xylon とシンビーのためにも是非ともここはお金の使い方について協議しなければならないと思い、時間と特別にとってダバーと話をすることにした。簡単に書くと必要な鐘は出す必要があるが、必要ではない金は出してはいけないということだ。ちょっとしたほころびが広がって最後はジェット飛行機まで会社の金で買ってしまうということはありえる話なのだ。再度、クリスチャンと大和も含めて話をする必要があるが、大筋のところではダバーと話し合うことが出来た。

こういう話も正面きってできるとヨーロッパまで来てビジネスをしに来た甲斐があると実感する。