ななこ

SOS ではない。

セブン・イレブンのnanaco(ナナコ)の話である。nanako じゃないのね。www.nanaco-net.jpだそうだ。このプリペイド・カードが持つ意味を考えてみたい。

まずはその前に私が普段よく使うヨドバシカメラヨドバシカメラのポイントカードを使えば10%程度のポイントがつくわけだが、冷静に考えれば安くなっているわけではない。実はもともと 10% 程度高いわけで、なんとなく得した気分になれるというものだ。そして、この10%分がどこに行くかを考えるとポイントカードというシステムが発行会社にどんなメリットをもたらすかがわかる。

冷静に考えてみると、顧客は単純にお金を払ってポイントを買っているのだ。例えば 10000円払ったとすると、9000円の商品と1000円のポイントを買ったことになる。しかも、そのポイントはヨドバシカメラという非常にローカルな世界でしか使えない通貨だ。

このとき、ヨドバシカメラから見ると、1000円の現金が手に入ったことになる。ちりもつもればやまとなるではないが、結局ヨドバシカメラはポイントを払い出して顧客から現金を得ていることになる。全顧客の持つ総ポイント数分だけヨドバシカメラは現金を手にしているわけだ。その現金をどのように使おうとヨドバシカメラの勝手だ。勿論、元本保証もしなくてよい。顧客の囲い込みという意味もあるだろうが、もはやこれはちょっとした銀行システムでもある。

これを考えるとポイントカードのもっとも賢い使い方はポイントをなるべく残さないという選択だ。ポイントを取るべきときにとり、使うときには使う。つまり、ポイントないなら必ずポイントを使う。ポイント上回るならポイントをためる。意味なくポイントをため続けるのはよくない。ヨドバシカメラを太らせるだけだ。

で件のnanaco。すでに400万枚突破したというからすごい。これはポイントカードより直接的にお金を集めることができる。最低のチャージは1000円からであるが、使ってみるとわかるが2000円くらいでは心細い。3000円はないとカードとして成立しない。少なく見積もって、平均 2000円としても、すでに 80 億は集金しているのだ。この金はセブン・イレブンがどのように使おうと勝手だ。これはすごい。セブン・イレブンからしてみれば利息を払う必要もないので、リスクの低い銀行システムというわけだ。

導入リスクはどうだろう?このシステムを導入するのにいくらかけただろうか?各フランチャイズはこのシステムを購入するのだろうか?だとすると、導入に80臆もかかっているとは思えない。

nanaco はヨドバシのポイントカードにない特典がある。それは購入すると1%のポイントがたまるということだ。似ているけど違う。ヨドバシの場合は他店よりもともと 1% 高いのだ。そして、この1%はヨドバシカメラに比べると一般的な品揃えのあるセブンイレブンのほうが実際のお金に近いポイントだ。

ここでさらによく考えてみよう。これはプリペイドカードなのだから先にお金を払っているのだ。するとどういうお金の流れになるのだろう?

まず、1000円払ってポイントをためる。この1000円は単純にセブンイレブンの本部にいくのだろう。次にその1000ポイントを使う。顧客とセブンイレブンの店舗の間ではお金は動かない。動くのは商品とポイントだ。顧客は商品と10ポイントを得る。その代わりにセブンイレブンの本部から店舗は1000円を得る。店舗と本部ではポイントを相殺して実際の現金は店舗に残ることになるかもしれない。いずれにせよ、”ここまで”はお金の代わりにポイントが動いていただけである。しかし、顧客はこの時点で100ポイントを得ている。この10ポイントはどこから出てきたのだろうか?次に使うときにその意味が判明する。次に顧客が10ポイントを使うと、店舗は現金を得ることなく商品のみを顧客に渡さなければならないのだ。

顧客は1000円で実質1010ポイントを得ることになる。そして商品を購入することで、実質 1% 引きだ(ん?100/101かな?)。でこの1%は誰がかぶっているかというと、実は、店舗側がかぶっているのだ。

実際のところ、本部から見ると nanacoというカードシステムを通して多額のお金をプールすることが出来る上に、1% 引きというセールストークで顧客を囲い込み、そのリスクは店舗側が引き受けることになるのだ。本部から見るといいとこ取りでしかない。いやーすごいぞ。